2019年版 ゴルフ規則改定案

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世界のゴルフのルールを統括するR&AとUSGAが3月1日に2019年版規則集の原案を発表した。18世紀に最初のルールが起草されて以来、275年(2019年時点)で5度目の大きなルール改定が意図されている。

ルールの大きな変更は、われわれのゴルフの変更。「50年に一度」に当たるとは、ゴルファーとしてなんたる幸運かと捉えた方がいいのだろうが、一方で、これまでの自分の一部が失われるような感傷もある。

今回の案は、2012年から続けられてきたゴルフルールの近代化(modernization)作業の一応の結果として2019年からの施行を目指すもの。狙いは、ゴルフルールの近代化、簡素化、複雑さの解消であり、全条項について見直しが行われた。その前提条件は2つ;

1)ゴルフの根本的な原則と特性を維持すること

2)ツアープロから初心者までのあらゆるレベルの参加者を念頭に置くこと

30項目以上の主要な変更点がある。まずは但書きの細かい話は省略して、誤解をおそれず大雑把に上げておく。

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1. 動いている球が偶然、方向を変えられた場合、ノーペナで止まったところから次打。

【現行】球が当たったのが当人関係なら1罰打。MPで相手関係ならノーペナでやり直しを選択できる。

 

2. 球の捜索中にプレイヤーが球を動かしてしまってもノーペナ、球はいつでもリプレイス。

【現行】1罰打、場所不明なら推定地点にドロップ

 

3. グリーン上のプレイで、刺さってる旗竿に球を当ててもノーペナ

【現行】罰打。

 

4. キャディーが球をマークしたり、拾い上げたり、リプレイスできるようになる

【現行】いちいちプレイヤーの承認が必要

 

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5. 打つとき、キャディーが後ろに立ってライン取り等を確認することは禁止

【現行】打つ前に退けばオーケー

 

6. プレイヤーに対する行動基準(Code of Player Conduct)を委員会が設定でき、違反者に罰打を科せる

【現行】委員会は重大なエチケット違反者を失格にできる。違反に罰打は科せない。

 

7. ウォーターハザードは「ペナルティーエリア」になり、砂漠、ジャングル、等にも拡大。設定は委員会の自由裁量。

【現行】水があることが前提。黄色、赤色の杭の別がある

 

8. 赤杭の「ペナルティーエリア」での「対岸」オプションを削除(委員会は設定可能)。赤杭は1罰打でオプションは3つに減る。

【現行】最後に横切った地点から2クラブレンングスでホールに近付かない範囲。そして等距離の対岸を含め4つのオプション

 

9. 球を拾い上げるとき宣言しなくても良い

【現行】ルールに許された目的で拾い上げる前に、アナウンスしなければならない

 

10. 迅速なプレイを優先、新条項に明文化。40秒以内。準備ができた人から打つ(レディーゴルフ)を推奨。MPでも合意あれば打順変えて良い

【現行】スロープレイを禁じた6条7項は抑止力なし

 

11. 新規則1条2項のa:ゴルフのスピリットのもとにプレイせよと明示。より強い「不適正行為(misconduct)」という文言を使い、委員会が失格にできる。

【現行】「エチケット違反」という表現は曖昧。

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12. クラブレングスという基準廃止。20インチか、80インチ(50.8cm/2m3cm)

【現行】無罰救済ドロップ時の1クラブレングス、罰打あり時の2クラブレングス、ドロップ球の転がり限度の2クラブ、ティーの2クラブ

 

13. 委員会が各ホールの「最大スコア」設定。ギブアップ(picking up)は失格にならず。

【現行】ストロークプレイでホールアウトしないのは失格。ステーブルフォードでは、あるスコア以上は0ポイント

 

14. バンカー内でルースインペディメントを動かしても良い。うっかり手、クラブで砂に触れてしまっても無罰。(素振りや打つときはダメ)

【現行】手やクラブで砂に触れたら罰打

 

15. グリーン上で球を意図せずに動かしてしまった場合は無罰

【現行】すでに今年からローカルルールにして良いことになった

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16. 球のドロップの作法変更:落下させる限り、高さは問わない。

【現行】肩の高さに腕を上げて落とす

 

17. 新ルール1条3項a(2);距離の決定に際してはプレイヤーの合理的な判断。あとで測定されて誤りが判明したとしても無効。

【現行】あとで、誤りが判明したらペナルティ。

 

18. 地面に食い込んだ球は救済。20インチ以内にドロップ。スルーザグリーンは「ジェネラル・エリア(general area)」に。

【現行】スルーザグリーンの芝を短く刈ってある区域では救済。

 

19. グリーン上のダメージはすべて直して良い!

【現行】ホールの切り跡、ピッチマークは治せるが、スパイクマークや動物の痕跡はダメ。

 

20. グリーン以外の場所で球が拾い上げられたり動かされたとき、オリジナルの場所が不明でも推定してプレイス

【現行】リプレイス、不明なときはドロップ

 

21. 新9条2項:球が動かされた理由がはっきりしないとき(95%確かであると言えないとき)は、自然のせい!

【現行】プレイヤーのせいじゃないと言い切れないときはプレイヤーのせい

 

22. 球の取り替えは「球が割れた、または亀裂が入った」場合のみで、傷ついた(out of shape)だけではだめ。宣言、相談しなくて良い。

【現行】相手や同伴競技者に確認を取る

 

23. 救済措置では常に球を交換して良い

【現行】ペナルティー救済では交換して良いが、無罰の救済ではオリジナルボールを使わなければいけない

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24. ロストボール探しの制限時間が3分に!

【現行】5分

 

25. 「ペナルティーエリア」内でルースインペディメントに触れたり動かしたりしても無罰、地面に触れても無罰

【現行】ウォータハザード内では手やクラブで水、ルースインペディメントに触れてはいけない

 

26. グリーン上でパットのラインに触れてもオーケー

【現行】例外7つ

 

27. バンカー内でのアンプレイアブルでは、もう一打加えてバンカー外の後方線上もオーケー

【現行】打った場所まで戻るオプションはある

 

28. 壊れたクラブは自分が故意に壊しても使い続けることができる、あるいはラウンド中に修理することができる。交換はできない。

【現行】不使用宣言

 

29. 距離計測装置を使って良い。ローカルルールで禁止できる。

【現行】使ってはいけないが、ローカルルールで使って良いことにできる

 

30. グリーン上でストローク前に風など自然の力で動かされた場合、もしも、事前に拾い上げてリプレイスされていたら、リプレイス。

【現行】プレイヤー、キャディー、局外者によって動かされたなら必ずリプレイス。風など自然の力で動かされたら、新たに止まった位置から。

 

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  1.  3分以内なら暫定球を打ちに戻っても良い

【現行】ショットのあと、球を探すためにその地点を離れたら、暫定球を打ちに戻ることはできない。

 

  1. ラウンド中に「楽しみのために(エンターテーメントとして)」、スポーツプログラム、ニュース放送や音楽を視聴することは、プレイに有利に作用しない限り、許される。プレイの際のリズムをよくするため、あるいはリラックスするために視聴するなら罰せられる。

【現行】いくつかの例外を除いて、ラウンド中の視聴は禁止。

2019年版 ゴルフ規則改定案」への3件のフィードバック

  1. 上記17番に記載のプレーヤーの合理的判断の説明で新ルール1条3項a(2)とありますが、これは新ルール1条3項b(2)ではありませんか?
    距離の決定に際してはーーーーは場所の決定に際しては、の方が適切な文言では?

    いいね: 1人

    1. おっしゃる通り! コメント、どうもありがとうございます。この記事は改訂案が明かされた2年前に書いたものなので、ほかにも、今年発効の実際とそぐわない部分が出てますね。すみません。私の怠惰をお詫びいたします(小松)。

      いいね

  2. 確認をありがとうございます。この記事を利用して新規則説明会等をしていますので条文だけは正解をセカンドオピニオンとして確認しておきたかっただけです。もちろんその他のご心配の文言につきましては正解をこちらで修正しています。

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