ダブスドレッド

ダブスドレッドはゴルファーの集まるフロリダ州オーランドのダウンタウンに近い公営コース。開場は1924年で、大戦後の一時期にはホーガンやスニード、トニー・ペーナ、クロード・ハーモンが覇を競った舞台だったが、繰り返された修復もむなしく、いまではあちこちがくたびれ果てている。80年以上も踏み固められてきた砂地に、いじけたバミューダ芝がこびりついたようなフェアウエイは、油断すると手首を傷めるので要注意だ。各ホールが住宅の間を縫うように進み、一般道の脇から打つティーショットもいくつかあってスリル満点。安全な低い球が打てたときはかなり転がってくれる。もとより距離のあるコースではないが、きわめて小さな砲台グリーンは、乗せるのに神経を使う。マニキュアを施された箱庭のようなコースの多い観光地オーランドにあって、ミニマルで明快。もっとも、挑戦しがいがあるからここへ来るわけじゃない。何よりプレイ代が安いのが最大の魅力だ。TN-87の2番アイアンを抜いて、私はきょうも1番ティーにあがる。