スウェーデン、ヨーテボリ出身のリッカード・カールベリは亜ツアーでキャリアを始め2勝。2015年にイタリアオープンで欧州ツアー初優勝している32歳。今週はドイツでのヨーロピアンオープンに出場する。先月のスカンジナビア・インビテーションの週にツアーのPlayer Blogに書いていた。その試合ではイングランドのジェームズ・モリソンが、家族に必要な時に自分はツアーを転戦していることが耐えられないと感じたが吹っ切れたと感情的なインタビューをしていたが、カールベリは1年半にわたってツアーを離れていた。カールベリの経験は一つの例に過ぎないだろう。カールベリが通りすぎるのに18ヶ月かかったつらさは、多くのツアープロが、あるいは我々の誰もが、毎日の暮らしを続けているうちに感じるかもしれないつらさに、もしかしたらどこか似ているかもしれない。私は3度読み返して、カールベリの経験を記しておきたいと思った。以下の内容はそのブログの意訳である。
2017年7月初めのアイリッシュオープンの後、風邪を引いたと思っていたら症状が3〜4ヶ月続いて原因がわからなかった。全米プロ勝者のジミー・ウォーカーや、最近ではLPGAのサンドラ・ギャルも罹患したライム病を疑ったがそうではなかった。その後、半年ほどは自宅で横になってばかりの生活が続いた。孤立感も強く、たくさんの人たちの中に出たり、明るい光の場所にいると頭痛がした。いろいろな治療を試みたが、最終的に「うつ」と診断された。
2018年8月のノルディアマスターズは自宅のあるヨーテボリ開催、しかも自分のホームコースでの試合だったが、観戦したいかと妻に聞かれて乗り気がしなかったことが悲しかった。そこでプレイしたかったのにできないことがつらかった。週末に観に行ったが「調子はどうか」と多くの人に訊ねられることがつらかった。最後まで見ずに自宅へ戻った。本来ならインスピレーションを与えられてやる気に繋がるはずなのに、現実はつらいだけだった。
2019年1月に体調が良くなってきたと感じ、練習再開の気持ちが湧いた。少しずつ練習量を増やして4月に試合に復帰。しかしラウンド中にこれ以上続けられないと感じることもあった。とくにゲームがうまくいかない時にやる気を振るい起こすのが難しかった。それから体力アップに努めた。そんなにすぐに好調になると期待してはいなかったが、7月のチャレンジツアーのオーストリアの試合ではトップテンに入り、続くフィンランドでは首位で最終日に入った。なにより72ホールを戦えて、しかも優勝争いができる、ということがうれしかった。
いま、試合の結果にプレッシャーは感じない。自分が経験してきたような問題を乗り越える過程で学ぶことは多い。本当に重要なのは何かということだ。かつては自分にかなりプレッシャーをかけていた。いまも自分を追い立てるが、落ち込むことにはつながらない。いつでもエンジョイしようとしている。
いまゴルフでは、ささやかなことを重要視している。いいショットを打った時の手ごたえとか、いいパットを沈めた時とかが好きだ。そういう楽しさを再発見してる。オーストリアの試合ではパットがどこからでも決まって、キャディーをやってくれていた友人と笑いあった。その時は、パットの時に考えていたことといえば、ボールにパターを当てる瞬間にはどんなに素晴らしい感触がするものなのだろうか、ということだった。プレイの最中にはそういう楽しみの感覚を味わうことに集中しようとしている。いま、ゴルフをするのが単純に楽しい。
またツアーでゴルフをしていられるのはボーナスだと思う。一番へこんでいた時点では、いいゴルフをすることなんて考えてはいなかった。家族のため、妻と双子の娘たちのために体調を戻さなきゃと思った。ただ、家族との生活を楽しみたいと願った。それは、ゴルフに復帰することよりずっと重要だった。家族を養っていけるポジションにいたかった。これまで人生はすべてゴルフをすることだったし、ゴルフをするためにあらゆることをしてきたけど、健康でなければ何にもならないし、家族のために健康でいるためには、ゴルフから離れることもありうる。いま、コースに出たら可能な限りリラックスすることを心がけている。それができたら、これからはプレッシャーがかかる局面が来ても、ハイレベルで戦えるようにと願っている。
http://www.europeantour.com/europeantour/season=2019/tournamentid=2019072/news/newsid=375035.html