メリーヨコハマ

♪ 生まれた街の匂い やっと気づいた もう遠いところへと惹かれはしない・・・

荒井由実『MISSLIM(1974)』は印象的でしたね。「新感覚派!」と謳う帯にひかれて『ひこうき雲(1973)』を聴いたときは、歌よりも細野晴臣さんのガットギターがかっこいいなあと思って真似しようとしてましたが、2作目のアルバムですっかり荒井由実ファンになりました。歌い方が直球というか、吉田拓郎とカーペンターズをよく聞いていた中学生の私に新鮮に聞こえました。その頃、川端康成を私が読んでいたかどうか憶えてませんが新感覚派とはこういうことかと納得したのでした。歌の世界の親近感が強かった。最初の曲の「生まれた街で」のイントロから、私は自分の生まれた街、ヨコハマを思い浮かべていました。

ヨコハマの匂いは、いくつかあげることができるけれども、しいて一つというなら私には横浜公園の、かつては平和球場という名前だったスタジアムの周りの楠の木の、5月の新緑の頃の匂い、6月の雨に濡れた若葉の匂い、だなあ。

写真は1965年だろうと思いますが、山下公園の噴水の前で兄妹で撮ったもの。この噴水はいまでも存在していて、2017年暮れに撮った同じ位置での写真はご愛嬌。ふたりとも元気で何よりですな。

山下公園兄妹

さて、自分の懐古モードがまだ持続しているので、どうやらオレも本格的に年寄りに近づいているなと思ってるんですが、このところ創作意欲が盛り上がってきて、37、8年ぶりに歌を作ってみたりしています。でも、高校生の頃のような恋愛ものにはなりえないんでしょうね、やっぱり懐古ソングですが、結構、気に入ってます。

ぺんぺん草を蹴飛ばしながら 引き込み線を歩いてた
ぼんやり顔の野良犬みたいに 行き先のない自由な時間
水平線のない忙しい港で 外国船を探すんだ
砂糖を積んでる艀がつながって アリンコみたいだった
山下公園はまだ桜の林 ブランコ揺らして見上げれば
薄もも色の空のかけらが ほっぺをかすめて行く
もう帰らなくっちゃ 機械油と潮の匂いが
お気に入りのブルーのセーターに 染み込んでいるからね
銀杏並木を走って行こう ハッピーヨコハマ

濁った水に ガラクタ浮かべた中村橋を急ぎ足
崖の上の唐沢へ昇ったら 5歳のぼくが十字を切った
空が広くて静かな丘の 白い米軍住宅はアメリカ
ニコニコしてる もうすぐお弁当 ピーナツバターサンドイッチ
おーサンタマリア幼稚園 天にまします我らが父よ
暗いお御堂で未来に祈る 優しいシスターウィンクしてる
大晦日の夜には 港中の船が汽笛をならす
眠い目で見つめたマリンタワーの 緑と赤の光
心の中で回っているよ メリーヨコハマ

(詞曲:小松直行, 2018)

*山手教会には「みこころ幼稚園」があってそっちへ行ってた子もいましたが、私は教会の修道院にあったサンタマリア幼稚園に通ったんですね。優秀な女性が支えてる資生堂に勤めたり女子大で教えたりという私の経歴は、シスターや女性の先生ばかりのその幼稚園時代がベースになってるかもしれない。幼い頃の体験はその後の人生に根源的に作用するわけでしょう。私は生涯、女性に絶対的な敬意を抱きつつ生きているのです。

*関連記事:生まれた頃のヨコハマのことを書きました・・・
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60年代の横浜:アメリカの記憶

メリーヨコハマ」への2件のフィードバック

  1. はじめまして。私は旅行で1度だけ横浜に寄ったことがあるだけですが(母は7歳くらいまで住んでいたそうです)、近代史を勉強すると横浜(と神戸)に愛着が湧いてきます。横浜に関する記事を二つ読ませていただいて、カタカナやアルファベットも似合う街だと感じました。

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    1. お読みいただいてありがとうございます。コメントもくださって嬉しいです。貴サイトを少し拝察。興味深いご活動をなさっているご様子。改めてじっくり拝見させていただこうと思います。離れているだけに生まれた町への思いは募ります。

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