タイトルナイン:スポーツは男だけのものじゃない!
ところで、作者シュルツがもともと女子スポーツの大いなるサポーターであることは、ピーナッツに出てくる女の子たちがスポーツで男子をしのぐ実力を発揮することからもうかがえます。アメリカでは1972年に施行された教育における男女平等を保障する法律(米国憲法修正条項)が、学校体育スポーツに大きな節目をもたらしました。
“タイトルナイン(Title IX)”と呼ばれるその条項の一章は、連邦政府の財政援助をうける教育機関ではいかなる教育プログラムについても、性別に基づいて参加を除外する差別があってはならないことを定めたもので、全米の高校、大学スポーツにはとくに大きな影響を与えました。
女子テニスを牽引し、現在のように男子に優るとも劣らない地位に引き上げたビリー・ジーン・キングに70年代の初めに会う機会のあったシュルツは、スポーツにおける男女平等、機会均等という意識をさらに強め、タイトルナインの目的を達成するためにキングによって1974年に設立された女性スポーツ基金(Women’s Sports Foundation ;WSF)の理事にも加わっています。
1979年にはピーナッツで数日にわたり女子のスポーツを取り上げて法律にも言及し、全米の人々にこの問題への関心を深めさせることになりました。スポーツ万能のペパミントパティには「私にはわかるの、チャック。女性がスポーツで男性と同じ参加機会をもつ日がもうじき来ることがね!(I have a vision, Chuck … I can see the day coming when women will have the same opportunities in sports as men!)」と言わせました。体育教師を目指していた私は、学校体育スポーツに関しては日本の方がアメリカより女子に開かれているという印象をもって驚いたことを憶えています。シュルツはさらに、女子スポーツのスターたちをピーナッツに登場させ続け、テニスの女子シニアトーナメントを主催したり、自身も愛したゴルフでは男女混合トーナメントを主催しています。

来週のキッズゴルフトーナメントに出るわ、マーシー
勝ったらプロ転向するつもり・・・
大学はどうするんです?教育を捨てちゃいけません・・・
大学はいつでも行けるわ。お金持ちで有名になってからね・・・
どうかしてますよ、旦那

ゴルフ部のある大学にだけ願書を出すことにしたの
内申書がよくなきゃダメだと思いますか?
ノー。パー5でツーオンできるかどうかで決まるのよ

16、17、18、19・・・
私は有名なゴルファーになるの・・・
だから筋は通ってると思うの、ルシール、
私の方があなたよりそのゴルフボールが必要だってこと

ゴルファーならサンドショットの練習をしないとね
ナイスアウト!
ありがと
*
見てよ、マーシー。彼女、勝って3万ドルを手に入れたのよ、ゴルフで!
女子スポーツの時代が始まったのよ、マーシー
女子ゴルフもまさにバックスイングに入ったってところです
カワイイ子ぶらないでよ、マーシー

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見た?ジョアン・カーナーって凄い球、打つわよね
私だって有名なプロゴルファーになっててもおかしくないと思うのよ、マーシー。切れてクラブを池に投げ入れたりしてなければね・・・
これからですよ。あなたにはまだ時間がある・・・女子ゴルフはやっと盛り上がってきたところですから
まさにバックスイングに入ったってところよね、マーシー
ぶりっ子しないでください!
