2015年、ゴルフを解放せよ! “オルタナティブ”大歓迎

 

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ホールを直径40cmにしてプレイしてはどうか、という提案に「それはゴルフじゃない」と反射的に感じた。でも、どうしてイヤなのか・・・。

去年の春、アメリカのゴルフ人口減少を深刻視した大手用品メーカーがキャンペーンを張った。直径は4.25インチ(108mm)と規則書に定められたホールを15インチにしようというのだ。9ホールを回るイベントも催され、参加した契約プロのセルジオ・ガルシアは6アンダー。もっとロースコアを出せたと悔しがった。ジャスティン・ローズは3アンダーだったが、いたく感心していた。

「15インチだと考え方がまったく変わるんです。ティーショットに失敗したら、普段ならどうやってパーセイブできるだろうかと思案するところを、なんとかグリーン近くまで持っていけばバーディーにできるなって考えてましたから」

息子のレオ君にぜひプレイさせたいとローズは言った。ゴルフを教えているが、5歳のレオ君はパットがなかなか決まらないことに嫌気がさして、最近ではクラブを手にしなくなっているという。

この話を聞いて思い直した。私の最初の違和感は親しんできたものに変形やバラエティーが出てくることへの不安に過ぎないだろう。新しく始める人のとっつきやすいやり方があっていいわけで、15インチホールもウエルカムだ。

提案はすぐに反響を呼び、ビッグサイズホールでコンペが開催されて好評だというニュースが散見されている。ゴルフ未経験の参加者からは楽しいと好評。スコアが10打も縮まった、チップインを狙えてうれしい、という経験者の声。プレイ時間が30分から45分も短縮されることを見出したコース運営側は大きなメリットだと喜んでいた。

 

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「ゴルフはこのままではアピールしない」。イリノイ州でゴルフアカデミーを経営し、自らも28年間、子どもの指導に携わってきたジム・ブエンツリー氏が警告していた。ハイテク機器を当たり前のように使って育ち、ゴルフと言えばビデオゲームの『タイガー・ウッズPGAツアー』で遊ぶことを指す、という世代には、実際のゴルフは時間もかかるし面倒なことが多すぎると指摘する。

「レンジで球を打つよりシミュレーターを使いたがる子どもが多い。これからは、いかにテクノロジーを実際のコース上にもち込めるかということがカギ。若い世代を引っ張り出すにはそれしかない」

そうなのか。“平成君たち”を惹きつけられるなら、プロが試合で距離測定機や最新鋭のGPS端末等を駆使するさまを見せられるよう、ルールを変えてはどうか。クラブとボールもハイテク満載の“何でもあり”にしようではないか。使うかどうかは個人の好みの問題だし、重要なのは選択肢が広がることなのだ。ゴルフの何が後世に受け継がれるべきかを考えるのは、楽しみ方をいろいろ用意してからでも遅くない。

 

(月刊ゴルフダイジェスト誌2015年3月号掲載)

 

Embed from Getty Images*: ある調査では全米2500万人のゴルファーの5人に一人が、もうやめようと考えているらしい。35歳以下と女性たちのゴルフ離れが顕著だ。

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