ゴルフは“脳力”だ! 一打入魂ランダム練習のすすめ

 

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練習場に行ってウエッジから始め、8鉄くらいで納得できるショットが出るまで打ち続け、長いクラブから最後はドライバーを手応えがあるまで打ちこむ。初心者と違って、我々ダファーはいい球も打てる。何発も繰り返し打ち続ける。スイングを修正し、ナイスショットの感覚を身体に覚え込ませたいと願っているからだ。でも、それが時として100も叩く理由かも知れない。

すでに20年前の報告だが、野球の打撃練習についての実験がある。バッターを2グループに分け、12回の練習日程を組んだ。1回の練習で、一方のグループはまず速球だけを打ち、次にカーブだけを打って、最後にスライダーを打ち込むというやり方。もう一方は3つの球種をランダムに変えながら打つという練習をした。「同じ球種のまとめ打ち練習」のグループでは打率が実験開始前よりも25%アップした。一方、後者の「ランダム練習」をした打者たちは57%のアップを見た。1回の練習の合計球数は同じだったのに大差が出たのである。

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ゴルフなら一打ごとにクラブや目標や距離、弾道や振り幅といった課題を変える「ランダム練習」が、同じクラブの「まとめ打ち練習」より効果はあがるということは、すでに推奨されてきた。ただ、ベテランダファーには人気がない。結果にかかわらず次々にクラブや狙いを変えるのは、何も改善できずに壊滅に向かうようで不安なのだ。しかし、一連の研究で明らかになっている重要な事実は、練習中には「まとめ打ち」の方がいいショットが出るようになるけれども、10日後に調べたときに練習効果が残っているのは「ランダム練習」の方であるということだ。

その理由は、ゴルフが一発勝負であり、臨機応変な「脳の働き」がものを言うゲームだからだ。友人との楽しいラウンドで満足なショットが出るかどうかは、我々の脳が状況に対応しつつ、あるショットの実行プログラムをスムーズに走らせてくれるかどうかにかかっている。感じて、考えて、実現に集中すること。自分のいる場所と気象条件、球のライを把握し、必要な距離や球筋を検討し、ある打ち方を実行するというのが実際のゴルフだ。だから我々にとっての練習とは、そのための練習、身体の練習というより脳の練習。一打ごとに頭を使わなければならないように練習することなのである。

 

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同一課題の繰り返しは脳の活動量を低下させるだけだ。地道な反復練習が実を結ぶという発想は捨てよう。脳の働きには未解明のことも多いが、実際のゴルフには不安や緊張がつきもの。その中で身体にいい仕事をしてもらおうというのだから、脳をフルに動員する実践的練習の意義は納得できる。

「真のスイングは初めから自分の内に存在する」とバガー・ヴァンスは言った。細々とした修正作業に、これ以上時間を浪費すべきではない。自分を信じよう。どのみち、我々のゴルフはいま以上にひどくはなりようがないではないか!

 

(月刊ゴルフダイジェスト誌2015年4月号掲載)

*: パットなら長さをランダムに変えながら沈めようとする練習の方が脳に効く。

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