ゴルフの前には必ずストレッチングをすべし。これは元体育教師で米体力医学会公認フィットネス・インストラクターでもあった私もずっと勧めてきたことだが、ベテランゴルファーの中には、入念なストレッチをした直後はショットがぶれると感じている方もいるだろう。
最近の研究結果の中にも、直前のていねいなストレッチングがショットの正確さを損なうことを示唆するものがあった。それが、関節の可動域の拡大の影響なのか、球を打つ動作の制御の問題なのか、短期的な作用かどうかについてははっきり言えない。一方で、好ましい長期的な効果を考えればストレッチングは習慣化した方がいい。だからコースへ向かう前の自宅でやっておく。ゴルフのときだけでなく毎日やるものと位置づけよう。
ケガをせず、老化を含めた衰えは出来る限り抑えたい。問題は使用不足による機能低下だから、答えは筋肉だ。体温をつくり、関節を守り、神経を通じて脳を活性化するのは筋肉だということを忘れてはいけない。キーになるのは言うまでもなく運動(フィットネス)で、ストレッチングだけでも筋肉維持に効果はあるから、食後の歯ブラシのように自動的な生活のルーティンにしてしまうのがいい。
ティータイムから3時間前には起床して少し熱めのシャワーを浴びる。皮膚を通して交感神経を刺激してやるためだ。手のひらで全身をこするようにしながら、いつもと違う痛みはないかを点検する。うがいをしながら、できるだけ大きな声を出す。気分なら、シャワーの間に歌うのもいい。今朝の私はクワタだ。声を出すことも自律神経の切り換えを促すのだ。
フルーツケーキをつまみながらコーヒーを飲む。脳のエネルギー源は糖分だけだから、まず供給してやる。チーズも食べよう。寒いときには蛋白質が体温づくりをブーストするからだ。本格的な朝食はコースに着いてからでもいいが、とくにミドルエイジになって以降は、起きてすぐに食べておかないと心臓に悪い。
ここまでの作業でカラダのスイッチを入れたら、10分間のストレッチングだ。床に寝て筋肉がゆっくり伸ばされていく感覚を味わう。体側、肩、背、腰。長座から大腿の前後、いくつかのひねり。腕立て伏せを深く10回ほどしておくとスイングの負担のかかる肋骨を守ることにつながる。立ち上がってふくらはぎとアキレス腱。最後にスクワットを10回。全身の血流のダメ押しだ。これでエンジンとしての筋肉は安定して回り始める。
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コースに着くと気持ちもはやる。それも筋肉で制御する。筋肉内に筋紡錘と呼ばれるセンサーがある。そいつにクラブの重みと遠心力を感じとらせるよう、全力を出さないスイングをする。ここまで来れば、自分をコントロールする満足感すら感じられるはずだ。
という段取りで、きょうも私は1番ティーに上がって第一打。芯を喰った見事なスライスがOBへ飛んでいった。少なくともウォームアップは万全なはずだ。気を取り直してもう一度、背すじを伸ばした。
(2012年12月号月刊ゴルフダイジェスト誌掲載)
[ ゴルフの朝、ストレッチングは自宅を出る前に ]
防ぎようがない・逃げようもない・いつまでも繰り返してエンドレスの地震と風評被害。
恐ろしい事が続く新年に、読んでちょっと持ち直したサンキュー。
球遊びに熱中し始めた90年代以前から、いつでもどこでも現地の5時起床、即股割屈伸、膝腕首腰どこもかしこもストレッチ。
メニューは現在13約15分:効果不明。
やらないと気持悪いだけだったのが、この項読んで、「効くぜ!」 得した、ほくそえんでおります。
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