試合形式の工夫

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今年1月末、豪ビクトリア州の海沿いの町トーキーで開催された豪ツアー公式戦、サーフコースト・ノックアウトは興味深い形式だった。アマチュアも含めた144名のフィールド。まず二日間36ホールのストロークで50位タイまでに絞り、そこからサードラウンドで上位32名を決める。プロにはここで5位までに賞金が出るので、1位から5位までにタイがいれば18番ホールでサドンデスのプレイオフを繰り返して順位を定め、以降はカード照合で上下を決める。

そして最終日はノックアウト・マッチプレイと題された6ホールの勝ち抜き戦。オールスクエアならピンまで100mの「ノックアウトホール」が用意されていて、2度目で決まらなければ3度目はニアピンで決める。3位決定戦もあるので5回戦全32マッチになるが、ひいきのプレイヤーが次々に相手を倒して行くのは痛快だ。

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試合は54ホールのトップがベテラン、ピーター・オマリーだったが、13打差の最下位で残ったスコット・レイコックに1回戦であっさり負けてしまった。そのレイコックが快進撃を続け、ファイナルで優勝候補筆頭のアンドルー・バックルを退け、初代ノックアウト王の栄誉に輝いた。

観客は3日間のストローク戦をのんびり見ることもできるし、日曜日に1対1のマッチプレイで駆け引きや番狂わせの面白さを味わえる。思い切って6ホールマッチにして1日で結着がつくようにしたアイディアは今後のツアー競技として示唆的だと思う。

 

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一方、時短ゴルフというニーズも踏まえて生まれたのが、英国で3年ほど前からじりじりと盛り上がってきたパワープレイ・ゴルフだ。9ホールのステーブルフォード戦だが、なんとグリーン上にホールが2つ設定されるのが肝。攻めづらいピンには黒い旗、易しい方には白旗。プレイヤーはティーでどちらを狙うのかを宣言する。黒旗は得点が倍になるパワープレイで、8番までに3ホールで選べる。最終ホールでも黒旗を選んで逆転をかけた勝負に出ることができるが、ボギーを叩くと3点失う。競技形式が増えるのは文化としての成熟度を示す一面のようで楽しい。

(2011年6月16日付毎日新聞夕刊掲載)

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