緑の許可証 —–スウェーデン

 

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スウェーデンを思えば、国は人。908万の人材が最大の資源とは 納得だ。ドイツと並んで多くのゴルファーを生み出し、世界ランキング保有者は3月現在55名(日本は104名)と、群を抜くプロ輩出国でもある。

462コース、493クラブ。連盟登録のクラブ所属者は53万人、無所属を含めるとゴルフ人口は80万人とされる。ゴルフはサッカーに次ぐ人気で、いまやファミリースポーツ。そこから世界のトップに立ったアニカ・ソレンスタムや欧賞金王ロバート・カールソンが生まれた背景には、80年代に導入された2つの特徴的な制度がある。

スウェーデンでは、筆記と実技の試験に合格して「緑の許可証(グレント・コート)」を取得し、少なくとも2ラウンドのキャディー体験をしてからでなければ、18ホールの正規コースでプレイすることができない。 ハンディーキャップで言えば36には届かないが、それに近い実力ということになるので、現在では「36+(サーティーシックス・プラス)」と呼ばれるようになっている制度だ。

公営コースはなく、クラブに所属することから始まるスウェーデンでは、ルールとエチケット、基礎的な技能を習得し、クラブプロの指導で少なくとも2年以内にハンディーキャップ36を取得することが目指される。過去10年、年間2万人から3万人がゴルフを始めており、少なくとも8割が基準をクリアするという。

 

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一方、「オープン・ゴルフ」制度は、国際試合での競技力向上を目的に、アマチュア、プロ両統轄団体が協調して導入した。アマとプロを区別した競技会は効率が悪いという認識から、すべての国内競技会で、ハンディーキャップ制限をクリアすれば誰もが出場でき、結果として金銭的報酬には換え難い切磋琢磨が可能になっている。

近年ではニュージーランドや中国で、男女も一緒というやり方も始まっている。スウェーデンのゴルフが世界のトップを極めているのは、まさにこれらの制度の賜物である。

(2010年3月18日付毎日新聞夕刊掲載)

 

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