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「ママミア!(驚いたな)」と叫んでしまったのは10月のスペインで行われた欧ツアー、カステヨ・マスターズ。17歳のプロ、マテオ・マナッセロの優勝には、 歴史的逸材の出現にとどまらないインパクトがある。
去年の秋、宮崎でエドアルド・モリナーリが勝ち、翌週のワールドカップで弟のフランチェスコと組んでイタリアに初優勝をもたらしたあたりから、イタリアン・ゴルフは躍進の時代を迎えた。3人は、アマチュアもプロも一手に統轄する伊ゴルフ連盟のゴルフ振興・競技力向上戦略の申し子であり、さらなる起爆剤なのだ。
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ゴルフ振興に意欲を燃やすフランコ・キメンティ会長の旗ふりで2007年に始まったのがテセラミント・リベロ(無料入会)制度。登録に75ユーロ(約8千円)、未成年は20ユーロを支払えば、特定のクラブのメンバーにならずとも連盟会員になれる。全国269コースのほとんどが高額入会金のプライベートだが、連盟会員には特別料金と企画パックが提供される。制度名の由縁も興味深いが、ゴルフを始めようとする者は、これまで敷居の高かったコースで、本当にゴルフは自分に向いているか、クラブに所属して長く続けていけるかどうかを見極めることができる。
従来は年3〜4%だった増加率が制度発足4年で10%近くに高まり、ゴルフ人口は10万人を超えた。とくにジュニアがこの8年で倍増。教育省の後押しも得て、 全国150クラブと共同で地元の小・中学校のスポーツ活動の時間にゴルフに接する機会を提供する施策も奏功している。
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世界的トレンドの最先端を行くのはプロ支援だ。駆け出しのプロが自立できるまで、試合の出場経費は無制限で連盟が負担する。特徴的なのはボーナスで、好戦績と年間出場権の維持、ワールドカップや欧米対抗戦出場に対して、その重要度に応じた報償金を出す。金額は明かされていないが、そこにはプロの活躍こそゴルフ振興の必須条件だという認識がある。
連盟は経験豊かな元ツアープロを専従スタッフに雇用し、毎年一人を欧ツアーに送り込むこと、世界ランキング100位に入るプレイヤーを増やすことを目標に掲げる。6年後の五輪ゴルフへ向けて、伊方式は示唆に富んでいる。
(2010年12月2日付毎日新聞夕刊掲載)
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