オバマ大統領のゴルフ

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オバマ米大統領は2月半ばの三連休にフロリダでゴルフをした。異例の報道陣閉め出しだったので詳細は不明だが、著名指導者ブッチ・ハーモンからの8時間レッスン、タイガー・ウッズとの初めてのプレイを含め3日間ゴルフ尽くし。ただ時期的には失敗だったかもしれない。フロリダは稀な寒さだったし、財政問題で対立する共和党から槍玉に挙げられた。

巨額の財政赤字削減をめざす方法論で米議会は合意のめどが立たず、すでに強制歳出削減措置も発動された。暫定予算が今月27日に期限切れになってしまうと政府機関閉鎖となる危機的状況で、大統領がいかに主導権をとって乗り切るのかが注目される。そんな中での今回のゴルフ休暇の費用は、警護官などの随行員経費もあわせて99万ドルと見積もられ、うち95万ドル弱が大統領専用機での往復のコストとあって、ゴルフ目的での専用機使用を一時的に禁じようという法案が用意されるに及んだ。

 

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オバマ大統領のゴルフは09年の就任以来115ラウンド。隔週ペースだ。ほとんどは、週末、ホワイトハウスに近いアンドルーズ空軍基地内のコースを側近スタッフと回る。頻繁すぎるのではと批判されてきたが、「大統領は毎週欠かさずゴルフをするべき」と言いだしたのはニューヨークのマイクル・ブルーンバーグ市長。相手と打ち解けて話ができるようになれば交渉はうまくいきやすいと強調する。政治的な意図で昼食やディナーに招待して親睦を図る、いわゆるチャーム・オフェンシブ(魅力攻勢)にゴルフも加えて、もっと精力的にやるべき、という主張だ。

実際のところ、大統領は2年前、連邦債務の上限引き上げをめぐって折り合わない事態を打開すべく、共和党のベイナー下院議長を誘ってゴルフをしたことがある。両者ともゴルフには満足したようだったが、特段の政治的進展はもたらされなかった。いい大人同士が、ゴルフをするぐらいのことで分かりあえるというのは子どもっぽい幻想だし、政治家が、ゴルフを一緒にしたことで意思決定をするとは思えないが、ともあれ、結果的に親密な雰囲気や共感関係が生まれるならば望ましいことだろう。

オバマ大統領は今後のゴルフを政治がらみにするのか、しばらくゴルフを控えるのか。世界最強の大国のリーダーに再選されたのだから、個人的にはこう言って欲しい。

「ゴルフの時間がなければ、私はこの激務をこなせない。放っておいてくれ!」。

(2013年3月21日付毎日新聞夕刊掲載)

 

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