ちょっとした楽しみ

モデルとして活動する若い女性を、キャディーとして派遣する会社が英米で現れて話題になったのはもう4年ほど前のこと。アイ・キャンディー・キャディー社では、ひとり230ポンド(約3万5千円)という料金で、バッグを担ぐか手押しカートに乗せて18ホール、その後でクラブハウスでワンドリンク、1時間ほどつきあってくれる。ホームページを覗くと、薄紅のスポーティーなユニフォーム姿の美女が旗竿を持ったりしていて、30名ほどの顔写真から指名することもできる。

同社によれば、彼女たちには事前にゴルフのエチケットからルール、距離の計り方などを教育し、肌の露出度や振る舞い方についての指針を守らせているとのこと。もちろん、自身がゴルファーである場合も多く、なかにはハンディーキャップ2という凄腕もいるという。ハウスキャディー・システムのない英国では、プラス・アルファのビジネスになっているようで、提携しているコースやゴルフ旅行企画会社等もいくつかある。イベント・コンパニオンに近い仕事も含め、企業のコンペなどでの需要はかなりあるようだ。

その提携先の一つが同社のキャディー派遣を禁止した、というニュースには少し考え込んでしまった。理由は、ゴルフが五輪種目に選ばれるとあっては、その種のサービスはふさわしくないから、とのこと。クラブ・メンバーからの苦情も多かったとネット版BBCは伝えているが、断固たる排除通告のようだ。

いわく、「ゴルフ発展のために真剣に取り組んでいる者として、ゴルフをほかの主要種目同様に専門的で、性に関して差別的でなく、文化的に誰からも受け入れられるものとするよう努力しなければならない。

ゴルフを男だけの楽しみと捉えるような認識は時代遅れで不当。“ちょっとした楽しみ”ではすまされないことである。ゴルフというスポーツ自体をおとしめるばかりか、若い世代の男女の参加者への訴求力も損なわれてしまう。」

まったく仰せの通り。この際、われわれも点検しよう。下品なゴルフ用語はないか、ニギリや昼の冷えたビールは不謹慎? メタボは五輪競技のイメージにそぐわないから出入り禁止、なんてことになったりして。

(2009年9月3日付毎日新聞夕刊掲載)

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