(13) カントリークラブとミュニのアメリカ

林檎とアップルパイはアメリカの代名詞になるほどアメリカ的だが、ゴルフもアメリカではきわめてアメリカ的だ。ゴルフの場であるコースには、いくつかの営業形態がある。そのうち、はっきりと異なる2つの種類をあげるならば、富裕層の同好会組織としてのカントリークラブと、行政サービスとしての公営ゴルフ・コースの2つだ。後者は、公営(municipal)を略してミュニと呼ばれることも多い。

アメリカでのゴルフの始まりは前者だった。スコットランドからもち込まれたゲームがアメリカで組織化されて行われるようになるのは、富裕層の娯楽のためのプライベートなメンバー制カントリークラブだった。飲食をともにしたり、カードを楽しんだりできるクラブハウスを中心に、乗馬や狩猟、ポロ、クリケットや水泳等のできる設備が付属されているカントリークラブに、ゴルフが加わって発展した。ゴルフの育ったスコットランドやイングランドでは、コースには着替えのための簡易的なロッカールーム程度の設備こそあったが、いわゆるクラブハウスというべき空間をもつ建物は本来的になかった。アメリカのカントリークラブがゴルフを取り入れた結果、今日的なゴルフクラブの原型が出来上がったのである。こうした、ゴルフの場のプロトタイプとしてのカントリークラブだけでなく、アメリカではその後、複合スポーツクラブとしてのカントリークラブから独立したり、当初からゴルフを核としたクラブも続々と誕生していった。

一方で、アメリカで特徴的に発展したのは、市町村が市民に提供するスポーツ・レクリエーション・サービスの一環としてのゴルフだった。

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ベンデロウがニューヨーク市に雇われて1898年から1900年までに作り上げたヴァン・コートランド・パークのシステムは、エリア・サービスとプログラム・サービスの範型となり、ベンデロウ自身、用品販売を狙うスポルディング社、ウィルソン社に雇われて北米を行脚しながら、全米各地に同様な公営コースをつくっていった。

米国で誰もがプレイできるコースとしてはパブリックが9千強。公営は2千4百余りで全体の15%に当たる。

 

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