G・スタル、亡き母へ捧げた初優勝

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2015年のアブダビゴルフチャンピオンシップの最終日、ゲイリー・スタルは5ホールを終えた時点で、すぐ後の最終組のマーティン・カイマーに10打差をつけられていたが、そこから6ホールをプレイして11番ホールを終えたときには1打差の単独首位に立っていた。カイマーのまさかの崩落で掴んだ初勝利ではあったが、16番でバーディーを決め、上がりホールをこなしていく様子は見事だった。結果的に世界一のR・マキロイをも一打差でしのいで勝ったのだ。

直後のインタビューでは、両親のことを聞かれた途端、堪えていたものが溢れ出したように涙がこぼれた。「最後のパットを沈めた時、私を見ていてくれた人たちの事を考えていました。私の母は、去年私がウエントワース(5月のBMW・PGAチャンピオンシップ)に出ているときに死んだんです。私がプレイしている最中に逝ってしまったんです。だから、ずっと母のことを考えていた・・・」

涙でそれ以上話せなかったスタルは、母クリスティーヌさんを思いながら初優勝のプレッシャーをはねのけて勝ったのだった。トーナメントの中継中にそうしたことをうかがい知るのは難しいし、もし伝え手の我々がそれ知っても、ことさらにそうしたストーリーを強調するのは私の流儀ではないが、優勝の陰にはつねにプレイヤーたちの思いがあるのだということを、あらためて思う。

試合の結果だけなら、ネットをチェックすればすむ。でも、同じ時代に生きていて彼らのプレイを見る我々には、トーナメントの様子をライブで見つめながら、共感できる何かを感じ取る事こそゴルフを観る意味だと思う。

<資料:アブダビ・ゴルフチャンピオンシップ記者会見スクリプト、2015年1月19日>

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