人名の日本語化

【問1】次のプレイヤーの名前の読み方をカタカナで書いてください。

a) Joost LUITEN ,   b) Peter UIHLEIN ,   c) Romain WATTEL ,   d) Jorge CAMPILLO,   e) Pariya JUNHASAVASDIKUL ,   f) Tjaart VAN DER WALT ,   g) Kristoffer BROBERG

「書けません」(!)が正解かもしれません。私の勤務するゴルフチャンネルではa) ヨースト・ラウテン , b) ピーター・ユーライン , c) ホマン・ワテル , d) ホルヘ・カンピーヨ, e) パリヤ・ジュンハサワテクン, f) チャート・バンダーウォルト、g) クリストフェル・ブローベリ、という具合に書いて、放送ではそれを読む方法で彼らの名前を呼んでいます。なにしろ日本語に無い音が彼らの出身国の言語にはあるのですから、試合中継のための方便として、さらにはゴルフチャンネルのスタッフによって違う呼び方にならないように便宜的に統一してあるというわけであります。

外国人の名前を日本語で表記するのは難しいです。多国籍の欧州ツアーには、アルファベットの綴りからは想像もできないような発音の名前も多くて、実際にそのプレイヤー自身が自分の名前を発音してくれるのを聞くまでは、放送でどう呼ぶかを決めかねる、というケースも多いです。英米のアナウンサーの中には無頓着に「英語読み」してしまう人も多いのですが、やはり名前はその人にとって固有のものだし、大げさにいえばその人そのもの。ならば、できる限り本当の音、原音で呼びたいと願ってはみます。ただ、日本語に無い音を日本語の放送で発音することにどれだけ意味があるかと考えると・・・・・。

外国人名はできるだけ原音に近い日本語の音に置き換えて呼ぶしかないのであって、それは極端にいえば一種の記号であり、聞く人がその人だとわかればいいのだ、と考えるしかないでしょうか。もし、原音通りに発音できる人が、日本語の文章の中の人名を原音通りに発音しながら放送したら、面白いとは思いますが、聞きにくいと感じる人も多いことでしょう。現実的な例をあげた方がイメージしやすいですね。たとえば、Vijay SINGHをビジェイ・シンでなくてヴィジェイ・スィンと書いて、それを読めるかどうか。違和感があるのは私が昭和生まれだからでしょうか。

ちょっと前まで米PGAツアーにVance Veazeyというプレイヤーがいました。2部ツアーでは3勝していますが、なじみの薄いこの名前、どう読みますか。従来的な方法なら「バンス・ビージー」とされるかも知れません。しかし、本人が聞いたら苦笑することでしょう。思い切って「ヴァンス・ヴィーズィー」と表記して読むこともできるでしょう。私たちの都合で違う音に置き換えさせてもらうのはしょうがないにしても、努力しないでいいのかということにもなりますから、そろそろ頑張ってみてもいいかもしれません。マーティン・カイマーは昔なら「マーチン・カイマー」だったのでしょうからね。やがて抵抗なく外国語は外国語として発音できる世代も現れてくるかもしれません。それまでは、その時点で感覚的に受け入れられやすい発音方法を選んでいく、ということになるのでしょう。

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さて、前置きが長くなりました。Gary PLAYERはゲイリー・プレイヤーでなく、「ゲーリー・プレーヤー」になってしまうのか。Davis LOVEはデイヴィス・ラヴではなく「デービス・ラブ」でなければならないのか。日本語の話し言葉の法則である「二重母音の長音化」を固有名詞に当てはめるのは、悩ましいところだ・・・・というのが今回のお題です。Tom LEHMANはトム・レイマンであって「トム・レーマン」でないのです。一方で、Paul LAWRIEは「ポウル・ロウリー」ではなくポール・ローリーなのだし、コース名ならTPC Sawgrass はティーピーシー・ソーグラスであって、「ソウグラス」ではないわけで、固有名詞の二重母音は日本語に取り込む時もそのまま反映させるべきなのではないか、という問題です。しかし、日本では、たとえば深堀圭一郎プロの名前の読み仮名は“けいいちろう”と振っても「ケイイチロウ」ではなくてケーイチローですからね。日本語では“先生”だろうと“天皇”だろうと長音化されるようになっているのだからいいのだ、と納得しそうになるのですが、小田孔明プロの“こうめい”はコウメイで、「コーメー」ではない気がします。もう、わかんないっす。

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